定年後、老後のお伴に猫を飼う。場合の注意②。

猫を飼うときの注意事項をまとめてみました。 くらし

 一人暮らしや夫婦だけの生活を続けていると、ふと、猫を飼いたくなる時があるのではないでしょうか。とくに、歳を重ねて外出の機会が減ると、そう思うことが増えるかもしれません。猫に限らず、動物がいてくれると、本当に癒やされることがありますよね。
 でも、人が歳を重ねてから猫を飼う場合、いろいろと心づもりしておかなければいけないことがあります。とりわけ、今までペットを飼ったことがない方には、事前に知っておかれたほうが良さそうなことがあります。

  そこで、猫の問題に最前線で取り組む、動物愛護センターの方に直接お伺いしたうえで、

 一 飼う前に、考えなければいけないこと
 二 飼える? 飼えない? 決める前に知っておくとよいこと。
 三 買うときに、気をつけなければいけないこと。
 四 飼い始めたら、必ずしなければいけないこと

  をまとめてみました。

この記事が、猫と気持ちいい時間を過ごすためのご参考になれば幸いです。
(この記事は、四部構成のうちの二番目の記事です。「定年後、老後のお伴に猫を飼う。場合の注意①」の続きです。お読みになっていない方は、まずこちらからお読みください。)


二 飼える? 飼えない? 決める前に知っておくとよいこと。

1 飼えなさそう、と判断した方。
 残念ながら飼うことは難しそう、と判断された場合でも、猫とのふれあいを諦める必要はないかもしれません。
 ぜひ、以下も検討してみてください。

・ 大人の猫を飼う。
 もしかすると、子猫から飼うことばかりイメージされていたため、飼えないと判断されたのではないですか?
 もしそうならば、最初から大人の猫を飼う、というのはどうでしょう。
とくに、保護施設から譲渡を受ける場合には、性格のマッチングやお試し期間、飼い方のアドバイスを受けられるなどのメリットがあるようです。
 ご検討されてはいかがでしょうか。

 いろいろなボランティアを活用する。
 例えば、一時預かりのボランティアや、人や環境に慣れてもらうための馴化(じゅんか)ボランティア、子猫を育てるミルクボランティア、保護猫カフェのボランティアなど、手助けしてくれる人を探している、いろいろなボランティアがあります。まだ少ないようですが、飼うことができなくなるときまで猫を預からせてもらう、成猫の永年預かりという制度を採用している団体もあるようです。ご自分の条件にあったものを探して、ボランティアとして貢献することで、もしかすると普通に飼う場合以上の喜びが得られるかもしれませんね。
 近くに詳しい方がいらっしゃらない場合は、お住まいの都道府県のホームページから、「猫 ボランティア」などの言葉で検索をしてみてください。相談のきっかけがつかめるかもしれません。

2 飼うことができそう、と判断した方。
 まずは、お喜び申し上げます。よかったですね。愛護センターの方に伺った、猫を飼う方にお願いしたいことをまとめてみました。よろしければ、こちら(定年後、老後のお伴に猫を飼う。場合の注意③)をご参照ください。

3 二匹以上飼えそう、と判断した方。
 この場合には、もう一度、より慎重に判断されることをお勧めします。というのは、動物を複数飼う場合には、考えなければいけないことがもっと増えるからです。

・ 動物同士で、飼い主の愛情を奪い合う可能性があります。
 この場合、喧嘩の声がご近所迷惑につながったり、互いを傷つけあったりする場合もあります。自傷行為につながることもあります。

 不妊去勢手術だけでは性的なストレスが生じる可能性があります。
猫は、年に2~4回出産し、1回で4~8匹の子猫を産みます。そして、子猫は生後4~12ヶ月で思春期を迎えて子供を産めるようになりますから、不妊手術は必須といえます。しかし、不妊去勢手術では性的なストレスの発生を防げない場合があります。この場合も、喧嘩や自傷といった問題が生じることが予想されます。

 複数匹を飼う場合、健康管理や餌の管理の困難さが増します。
 とくに、伝染病などに感染した場合は、さらに管理が難しくなります。治療費などの出費もうなぎ上りになる可能性があるでしょう。しかし、だからといって治療を行わないのは、虐待にあたる可能性があります。

 災害時の避難方法も大変になります。
 地方自治体の判断によりますが、多くは災害時の避難場所にペットの同伴を認めているようです。しかし、避難場所での管理は飼い主の責任となります。鳴き声などだけでなく、体毛や糞尿の処理も必要です。ペット用の救援物資が届くまでのご飯も用意する必要があります。

 地方自治体によっては、届け出が必要な場合があります。
 たとえば、埼玉県の場合には、10匹以上飼う場合には市への届け出を必要とする自治体が多いようです。その際には、飼育設備の設置場所や給 排施設なども届け出する必要があります。

 近年は、ペットが多すぎて世話しきれずに破綻してしまう、いわゆる多頭飼育の崩壊が問題となっており、虐待につながる事例も見受けられます。動物を複数飼う場合は、より慎重にご検討されることをお勧めします。

4 まとめ
 大切なことは、猫を飼うことではなく、猫と幸せな時間を共にすることですよね。飼うことにこだわらずに、まずは慎重に、猫との接し方を検討していただくことが良いのではないかと思います。
 猫を飼うことをお決めになった場合には、ぜひこちら(定年後、老後のお伴に猫を飼う。場合の注意③)もご参照ください。


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