一人暮らしや夫婦だけの生活を続けていると、ふと、猫を飼いたくなる時があるのではないでしょうか。とくに、歳を重ねて外出の機会が減ると、そう思うことが増えるかもしれません。猫に限らず、動物がいてくれると、本当に癒やされることがありますよね。
でも、人が歳を重ねてから猫を飼う場合、いろいろと心づもりしておかなければいけないことがあります。とりわけ、今までペットを飼ったことがない方には、事前に知っておかれたほうが良さそうなことがあります。
そこで、猫の問題に最前線で取り組む、動物愛護センターの方に直接お伺いしたうえで、
一 飼う前に、考えなければいけないこと。
二 飼える? 飼えない? 決める前に知っておくとよいこと。
三 買うときに、気をつけなければいけないこと
四 飼い始めたら、必ずしなければいけないこと
をまとめてみました。
この記事が、猫と気持ちいい時間を過ごすためのご参考になれば幸いです。
(この記事は、四部構成のうちの三番目の記事です。「定年後、老後のお伴に猫を飼う。場合の注意②」の続きです。お読みになっていない方は、まずこちらからお読みください。))
三 買うときに気をつけなければいけないこと。
1 買うお店や売主の確認
ペットの購入に限らず、一般的にいえることですが、まずは信頼できるお店を見つけることから始めるのがよいのではないでしょうか。とくに、陳列されていて状態を確認できるようなお店からではなく、たとえばブリーダーさんから購入するような場合には、事務所に行って直接話を聞くぐらいの慎重さが必要かもしれません。
とても昔の経験ですが、配達バイトをしていた頃、配達先のブリーダーさんに寄るときには、猛烈な臭いを嗅がなくて済むよう、できるだけ息をひそめていたことがありました。道ですれ違う、そのお店のお洒落な営業車との落差に驚いたことがあります。今では、そんなことはないのかもしれませんが、気をつけるに越したことはないと思います。
また、お店やブリーダーさんの紹介サイトなどを利用する場合、利用規約にトラブル時の責任を負わないことを明記している場合があります。サイトを通じて購入する場合には、このようなことにも注意しておく必要があります。
2 契約書と契約内容の確認
購入時は契約書をとりかわし、契約内容に目を通したうえで、そのペットが契約書類上のペットと間違いがないか、きちんと確認しましょう。
契約の内容に関して、気をつける点を以下にまとめましたので、ご参考にしてください。
・ 種類・年齢・性別
ペットの基本情報の確認をしましょう。
・ 血液検査や健康診断書の有無などによる状態の確認
先天性の病気の有無や猫エイズなどがないことを確認します。
・ ワクチンや駆虫の状況
猫には、狂犬病予防のようなワクチン接種義務はありませんが、伝染病の原因にもなりますので、
きちんとした確認が必要です。
・ 去勢手術、避妊手術の有無
去勢手術や避妊手術は、特別な事情がある場合をのぞいて、必ず実施しなければなりません。まだ
実施していない場合には、獣医さんと時期を相談する必要があります。
・ キャンセル・返品の可否やその条件
とくに予約金をめぐるトラブルが多いようです。予約する場合は、一呼吸して、落ち着いて判断し
ましょう。
・ 保証内容、保証期間、保証条件
購入直後に治療が必要になった場合、少なくない出費が必要となります。お店が予測できないこと
もありますので、責任の範囲を確認しておきましょう。
・ 血統書の譲渡方法と時期
血統書は、ブリーダーさんから直接郵送される場合もあります。届く時期や、届かなかった場合の
お店の対応を確認しておきましょう。
・ 飼えなくなった時の対応の有無
お店によっては、飼えなくなってしまった時のことを考えて、いろいろなサービスをオプション設
定していることもあるようです。
飼う前に、飼えなくなってしまった時の準備をしておくことが大切ですから、このようなオプションがある場合には、ぜひ内容をご確認ください。
3 まとめ
購入の時にも、気をつけなければならないことが多くあり、なかなか大変だと思います。
購入の際には、お一人で決めるのではなく、ご家族やお友達に手伝ってもらいながら、あせらずに見つけるようにすると良いかもしれません。
なお、不安になった場合やトラブルになってしまった場合の相談相手として、消費生活センター等がありますので、ご参考にしてください。
*消費者ホットライン:「188(いやや!)」番
また、猫を飼い始めたら必ずしなければいけないこともまとめましたので、ぜひこちら(定年後、老後のお伴に猫を飼う。場合の注意④)もご参照ください。